タラス・シェフチェンコ は ウクライナを代表する詩人・画家・思想家です。
本日、ウクライナでは偉大な詩人・画家・思想家である タラス・シェフチェンコ の生誕212周年を迎えます。
タラス・シェフチェンコは農奴の身分に生まれました。幼い頃に両親を亡くし、9歳の時に母が、11歳の時に父が亡くなりました。その後、姉のカテリーナが彼の面倒を見ました。
24歳のとき、芸術家の友人たちの支援によって農奴の身分から解放され、Imperial Academy of Arts で学ぶ機会を得ました。
シェフチェンコは、ウクライナ文化と自由への闘いの象徴となりました。彼の詩集 Kobzar は、ウクライナ文学において最も重要な作品の一つとされています。彼の作品は、多くの世代のウクライナ人に母語や文化を守り、自由を求め続ける勇気を与えてきました。
タラス・シェフチェンコについての興味深い事実:
彼はわずか 47年 の生涯でしたが、そのうち 34年間を不自由な境遇の中で過ごしました(農奴として、そして後に流刑として)。
家族の中で 唯一、両親が教育を受けさせることができた子ども でした。
彼の人生で最大の夢は、農奴の身分にあった2人の兄と3人の姉妹を身請けして自由にすることでした。しかし残念ながら、その夢を実現することはできませんでした。
シェフチェンコは詩人であるだけでなく優れた画家でもあり、1300点以上の作品を残しました。そのうち 800点以上 が現在まで保存されています。自分の作品の挿絵を描いたり、自画像を描くことも好んでいました。
彼の作品は 100以上の言語 に翻訳されています。
詩「遺言(Zapovit)」
(日本語訳:作家 小松 左京 Sakyo Komatsu)
死んだら私を葬ってくれ
こだかい塚のうえに
ひろいステップのまんあかに
なつかしのウクライナに
はてしなき野
ドネープルきりたつ岸が
みられるように荒れ狂う流れの
ほうたけるのが聞こえるように。
ウクライナから敵の血汐を
青い海へと
河がおし流すとき…そのとき私は
野も山も
すべてを棄てさり飛んでいこう
神のもとへと
祈るため…だがそれまでは
神を私はしらない。
葬ってくれ立ちあがってくれ
くびきを断ってくれ
そしていまわしい敵の生血を
この切れなる思いに注いでくれ。
そして私をおおいなる家族
自由にして新たなる家族のなかで
忘れずに追悼してくれ
やさしいおだやかな言葉にて。
日本語で読むことができるシェフチェンコの詩集:
シェフチェンコ詩集 コブザー(2018年)
この詩集には101編の詩が収められており、彼の創作の約半分を占めています。ウクライナの精神的支柱である詩人の人生の歩みをたどることができます。

シェフチェンコ詩選 (1993年)

マリヤ (2009年)

シェフチェンコ詩集 (2022年)

タラス・シェフチェンコは、今日でもウクライナの精神的象徴であり続けています。彼の自由、尊厳、祖国への愛についての言葉は、今もなお多くの人々の心に響いています。
